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なぜ今、ブロックチェーンは社会インフラになりつつあるのか?

これまで、暗号資産を支える技術として主に語られてきたブロックチェーン。しかし、近年、その役割が「社会基盤」として再評価されています。その背景にあるのは、技術革新ではなく、デジタル上の取引や記録を誰がどのように信用するのかという国家レベルの課題に向き合うための基盤設計として注目されているためです。

たとえば、金融取引、行政手続き、国境を越えた契約や書類のやり取りなどは、これまで「特定の管理者」や「中央のシステム」を信頼することで成り立ってきました。一方で、システム障害や不正、あるいは海外インフラへの依存リスクが顕在化する中で、信頼の前提そのものを見直す必要が生じています。さらに、重要な金融インフラが中央集権的な管理主体によって運営されている場合、その主体が裁量で手数料を設定できてしまう可能性があり、また規制によって求められる範囲を超えて決済処理(例えば速度向上など)を近代化するインセンティブが十分に働かない可能性もあります。

世界各国に目を向けると、米国では、証券決済の分野において取引の記録や清算プロセスをより検証しやすくするために分散型台帳技術を活用する取り組みが進められています。EUでは、複数の国や組織が関与する越境取引において、「どの国のどのシステムを信頼するのか」という問題を避けるため、共同で運用されるブロックチェーン基盤(EBSI)が構築されています。中国でも、国家戦略の下でブロックチェーンを基盤技術に位置づけ、行政や産業利用を前提としたインフラ整備が進められてきました。

これらに共通するのが、検証可能性としての透明性という考え方です。ブロックチェーンは、すべての記録が後から第三者によって確認できる構造を持っています。誰かが「正しい」と判断するのではなく、「正しいかどうかを確認できる」こと。この性質は、国家や金融といった社会の根幹を支えるインフラにおいて、極めて重要な要素です。

日本においても、海外インフラへの依存や、閉鎖的で中央集権型システムの限界が意識される中で、ブロックチェーンは単なるweb3のトレンドではなく、重要インフラのネクストスタンダードとして語られるようになっています。こうした動きは、デジタル主権やガバナンスをどのように設計するのかという、世界共通の時代認識の変化を反映していると言えるでしょう。


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